はじめに
このつたないモノローグは、1968年から1972年にかけて｢日本大学全学共闘会議｣(日大全共闘)に集い、かつてない大がかりな学園闘争に蹶起し、その闘いのなかにあってささやかな自由と正義をもとめたひとびとが紡ぐ回顧談である…。
前置
蛇足ながら、ご説明させていただくと、冠称をつけない｢全共闘｣を表題としたのは、われわれにとって｢全共闘｣と言えば、唯一無二、｢日本大学全学共闘会議｣以外ありえないからだ。もし、この世に｢全共闘｣のミシュラン･ランキングがあれば、断トツの第一位に輝くだろう。いささか夜郎自大な自惚れかもしれないが、それでも、われわれの｢全共闘｣は｢全共闘のなかの全共闘だ｣との秘めたる思いがある。
はじめは、そのような思いをこめて｢The 全共闘｣と定冠詞をつけたのだが、｢The 全共闘｣ではインターネットの検索にヒットしないとの指摘を受け、定冠詞を削除したしだい。
さて、今世紀に入って｢インターネットはトイレの落書｣と憂うべき未来を予見した碩学がいたが、まさに、現在の世界はその碩学の言うとおりになった。
今やネットの世界は、匿名性をいいことに誹謗中傷、罵詈雑言のオンパレード。おまけにフェイクな画像や情報を撒き散らす百鬼夜行が跋扈している。そのことを十分意識しながら、徒然なるままにこの｢落書｣を認めていこうと思う。
なお、この｢落書｣は表題に｢秘録｣と謳った通り、秘史、秘話、異聞、外伝、珍談、奇談を対象とすることを、あらかじめご承知おきください。
以上 文責 大場久昭
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